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2007年9月13日 (木)

榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー

スターの見せ場満載 「TCAスペシャル2007」第2部

「TCAスペシャル2007 アロー!レビュー ─『モン・パリ』80周年記念─」
9月7日、8日 宝塚大劇場

第1部より続く)

 第2部は、銀橋に霧矢大夢、彩吹真央、真飛聖、大空祐飛が登場、賑やかにディスコメドレー で幕が開ける。本舞台で壮一帆、音月桂、涼紫央、立樹遥らも加わり、また各組の若手メンバーが揃って、「Uptown Girl」「恋のサバイバル」「ヒーロー」など、おなじみのディスコナンバーを歌いおどりまくる。最後は 「One Night Only」で、文字通り舞台上はディスコの世界に染まった。

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 幕がいったん降りて、ここからは退団する春野寿美礼仕様のOSA&ASA コーナー。「大海ー」「兄上ー」(日替わりで、「あさこー」「まさちゃーん」などにも)と銀橋の上手と下手で呼び合う春野寿美礼&瀬奈じゅん。4分間のトークタイムということで、ともに花組時代を過ごした仲間同士ならではの仲良しトークが始まる。雷鳴音での終了の合図も無視する瀬奈じゅんに、8日の夜は神の声(安蘭けい)が強制終了するありさま。最後に「退団までよろしくお願いいたします」という春野の挨拶もあり、懐かしい「アプローズ・タカラヅカ」のメロディに乗って引っ込んでいく2人に客席から温かい拍手が送られた。

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 そのあとは、今回の見せ場の1つでもあるヒロイン競演。各組の主演娘役を中心に有名ミュージカルを見せる形になっている。
 花組桜乃彩音『ME AND MY GIRL』のサリー。同名の歌にはじまり、男役の愛音羽麗・未涼亜希・華形ひかる・真野すがた・望月理世・朝夏まなととともに「ランベス・ウォーク」を歌い踊って盛り上げる。

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 月組彩乃かなみ『サウンド・オブ・ミュージック』のマリア。同名の主題歌を歌いあげ、また桐生園加・青樹泉・星条海斗・龍真咲・明日海りおなどの男役たちとコメディタッチでからみながら歌う「ドレミの歌」が楽しい。

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 雪組白羽ゆり『マイ・フェア・レディ』のイライザ。「踊り明かそう」「スペインの雨」といった有名な曲を、若手男役の彩那音・凰稀かなめ・緒月遠麻・沙央くらまとともに優雅にゴージャスに歌って踊ってみせた。

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 星組遠野あすか『キス・ミー・ケイト』のケイト。「ソー・イン・ラブ」で登場し「Too Darn Hot」などの劇中歌を、涼紫央・綺華れい・和涼華・麻尋しゅんとともに賑やかにリズミカルに展開。

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 コーナーのラストは『ハッピー・エンド』から、白のウェディングドレスのブライド、桜乃・彩乃・白羽・遠野と、グレーのエンビのブライドブルーム、壮一帆・遼河はるひ・音月桂・立樹遥が銀橋まで登場、華やかな祝典らしいシーンを見せてくれた。

 続いて今回の最大の見せ場の1つである、瀬奈じゅん水夏希のDance競演 。
 まず最初に水夏希が、濃いブルーのスーツのソフト帽という小粋な格好で、かつて新人公演『CANCAN』で歌った「I Love Paris」をスマートに踊る。バックダンサーは桐生・青樹・星条・彩那・凰稀・緒月というかっこいい男役たち。

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 続いて瀬奈じゅんが、花野じゅりあ・城咲あい・天勢いづる・琴まりえという娘役ダンサーを率いて登場。こちらも新人公演の『SPEAK EASY』から「昔二人は愛し合った」をダンディに踊る。

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 最後は瀬奈が文字通り競演して踊りまくる「マック・ザ・ナイフ 」『SPEAK EASY』の新人公演でマクフィスとピーチャムを演じた瀬奈を思い出させるとともに、現在の堂々たる主演男役ぶりをそれぞれ感じさせて、圧巻のダンス競演だった。

 もう1つの最大の見せ場は、歌手2人、春野寿美礼&安蘭けいのSong競演 である。
 まずそれぞれのソロで安蘭けい「Night and Day」を、春野寿美礼「エル・クンバンチェロ」を、歌唱力たっぷりに聴かせてくれる。バックシンガー兼ダンサーを務める娘役たちは、桜一花・野々すみ花・白華れみ・夢咲ねね・山科愛・晴華みどりで、美しいコーラスを聴かせてくれる。一度引っ込んだ春野安蘭が、次に銀橋に登場するときには、なんと、大きなアフロかつらをかぶってきたのも、祭典ならではお遊び。楽しげな同期2人のちょっとしたトークもあり、「It Don’t Mean a Thing 」では、みごとな即興入りのスゥイングジャズの応酬で、歌手春野安蘭の醍醐味に酔わされたSong競演 だった。

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 そのあと、春野安蘭を中心に「One Heart 」未涼・愛音・華形・真野・望月・朝夏・綺華・和・麻尋という男役たち、桜・花野・野々・城咲・白華・夢咲・天勢・山科・晴華・琴という娘役たちとともに壮大に歌いあげられ、このコーナーの幕を閉めた。

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 見どころ満載だったこの祭典もいよいよフィナーレ。フィナーレAは、各組の主演男役たちのソロのコーナーである。
 大階段上にはまず水夏希が登場。先日まで演じていた『エリザベート』から「最後のダンス」を熱唱する。ブロンドの短い髪のトートだが、ミリタリー調のロングコートがよく似合う。銀橋で最後のシャウトを力強く決めて、1曲の間にたしかに劇世界を再現してみせた。

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 続いて安蘭けいがブルーのさわやかな衣装で大階段に登場、お披露目作品の『シークレット・ハンター』から、ダゴベールのテーマ「大切な人」をしみじみと聴かせながら銀橋を渡っていく。博多まで半年間演じた作品への愛着を感じさせる優しい歌声だった。

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 瀬奈じゅんが選んだ歌は、本公演のものではなくディナー・ショーのために作られた曲「ELVIENTO」。スペインに憧れを持つ瀬奈らしく、爽やかなシトラス色のラテンの衣装で、熱い大地を吹き渡る風を感じさせながら、気持ちよさそうに歌いあげてみせた。

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 最後をしめる春野寿美礼が歌う曲は『ファントム』から「世界のどこに」。歌を愛しながら悲劇のなかに死んでいった主人公の想いを、全身から絞り出すように歌う春野。このTCAスペシャルでの歌い納めにふさわしく、聴く側にも歌う春野にとっても胸迫るひとときだった。

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 フィナーレBは、霧矢大夢を中心に各組の二番手以下の男役(真飛・壮・大空・霧矢・遼河・彩吹・音月・立樹・涼) が勢揃いして、賑やかに今回のテーマである「モン・パリ」を黒エンビで歌い踊り、明るく盛り上げる。

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 フィナーレCは、主演娘役の桜乃・彩乃・白羽・遠野たちが「モン・パリ」を歌い、各組のメンバーたちも登場。主演男役の春野・瀬奈・水・安蘭も、総スパンの黒エンビに着替えていちだんとゴージャスにその場を輝かせる。そして大階段をから全員のパレードで、この楽しく充実感溢れる今年のTCAスペシャルが幕を閉じた。(文・榊原和子/写真・岩村美佳)

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2007/09/13 18:41:53 榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー | | トラックバック (0)

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