榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー
春野寿美礼初日会見、ファイナルへの思い―花組『アデュー・マルセイユ/ラブ・シンフォニー』
花組東京公演初日会見(11月16日)
『アデュー・マルセイユ』
『ラブ・シンフォニー』
花組の東京公演、ミュージカル・ピカレスク『アデュー・マルセイユ』とグランド・レビュー『ラブ・シンフォニー』が、16日に幕を開けた。
この2本立ては、主演男役スターである春野寿美礼の退団公演になる。
『アデュー・マルセイユ』は、故郷マルセイユに久しぶりに戻った男の過去をめぐる話で、ダンディで美しい春野の男役ぶりが堪能できる。もう1本の『ラブ・シンフォニー』は、“踊る春野寿美礼”が大活躍するレビュー。2本ともサヨナラを意識した場面もあって、観るものの胸に迫る作品になっている。
この日の朝早くからの舞台稽古を終えたあと、春野寿美礼の囲み取材が行われた。まず春野からの挨拶がある。
「この公演で退団させていただくことになりました。最後まで一生懸命がんばりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」
続いて記者からの質問に移る。
──大劇場を終えられていよいよ東京ですが、今の気持ちを。
「また東京では、新たな気持ちでみんなと一緒に、新しい作品をお見せするという感覚で立っております」
──それぞれの作品の見どころと解釈を。
「まずお芝居ではジェラールという役で、秘密を抱え、とても心が孤独な人物なんですけど。でもマリアンヌという女性と出会ったり、(幼なじみの)シモンと再会したりという、孤独でありながらも、人とのつながりのなかで生まれる感情みたいなものを、お客様に見えるように表現できたらいいなと思っていて。その部分が皆さまに見えたら、そこを楽しんでいただきたいと思っています。
ショーは今回とても群舞が多くて、みんなと一緒に舞台に出て、楽しく歌い踊るというのが本当に最後なので、そこで楽しんでいる私や生徒を観ていただいて、お客様にもそのエネルギーが伝わればいいなと思っています」
──楽しんでいるショーで、とくに心を解き放っているところがあれば。
「全てのところに、自分の気持ちを役に込めてやっているので、全部ですね。でも『アモーレ・スクザミ』とかは、本当に今の自分の状況をそのまま歌ったりしているんですけど、反対にショーの中詰めの、ラテン系で何を言ってるかわからない(笑)歌詞なんですけど、あそこで、なんだろう?言葉にならない自分の気持ちをぶつけるというか。そこが今、ぴったりはまっているという気がします」
──今の気持ちは、言葉にはまだならないということですか?
「そうですね。大劇場のときは本当に幸せな気持ちで終わらせていただいたんですけど、東京は東京で、今から始まるということで緊張感があって、まだほぐれてはいないので、まだまだがんばらなくてはいけないな、という気持ちです」
東京でのファイナルに向ける思いを率直に語ったあと「よろしくお願いいたします」と明るい笑顔を見せ、春野寿美礼は初日の楽屋へと戻っていった。この公演のフィナーレは12月24日。涙のクリスマス・イブになりそうである。(文・榊原和子/会見写真・吉原朱美/舞台写真・岩村美佳)
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◆宝塚歌劇花組公演◆
ミュージカル・ピカレスク
『アデュー・マルセイユ』-マルセイユへ愛を込めて-
作・演出/小池修一郎
グランド・レビュー
『ラブ・シンフォニー』
作・演出/中村一徳
・東京宝塚劇場(⇒宝塚歌劇団公演案内へ)
公演期間:11月16日(金)~12月24日(月)
(東京公演より)
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投稿者 宝塚プレシャススタッフ 2007/11/17 13:00:41 榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー | Permalink | トラックバック (1)
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