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2007年12月 4日 (火)

男役の行方~正塚晴彦の全作品

WANTED

WANTED
月組公演
1994年8月~9月 宝塚バウホール
主な配役
ニコル・シドラン…久世星佳
ティナ…風花舞
ルカ…姿月あさと
漁師・ティナの父エミリオ…美郷真也
ティナの母オルタンス…夏河ゆら
イザベル…美原志帆 ほか
 
作曲・編曲:高橋城
振付:謝珠栄
振付:伊賀裕子
振付:上島雪夫
装置:大橋泰弘
衣装:任田幾英
照明:勝柴次朗

 1994年のバウ第8作、月組の『WANTED』では、男同士の親友が、実は主人公を陥れる者だったという恐るべき話に発展する。舞台はイタリアである。

 久世星佳演じる一匹狼のアウトロー、ニコル・シドランは、マフィアの幹部を殺したという疑いを当のマフィアに抱かれた。これは濡れぎぬである。しかし弁明の利くような相手ではない。彼らは警察より怖い。つかまれば裁判抜きで死刑になる。

 ニコルは長距離列車で逃げる。すると同じコンパートメントに乗り合わせた考古学者が、自分の仕事について何かと話しかけてきたあげく、心臓麻痺で急死するので、この男になりすまし、彼が目指していた漁村にもぐり込む。そこは「いままで謎とされてきた古代文明の遺跡」だというが、学者の態度にはどことなくうさん臭い感じがあった。

 ドラマは、ニコルのモノローグを軸に運ばれていく。これは彼の心の声なので、録音が使われている。

 モノローグには2つの役割がある。第1に、逃避行をテンポよく描き、それ以前のいきさつはモノローグの回想の中に適宜織り込むことで、冗長さを防ぐことができる。回想の中に浮かぶのは、スラム街の少年時代以来の親友、姿月あさとのルカである。

 第2に、回想は過去の事実そのものではなく、過去の事実を巡る思い込みである。そこに新しい情報が加わると、新しい視点で過去を見直すことになる。

☆        ☆    (後略)  ☆      ☆

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 『男役の行方~正塚晴彦の全作品』はブログ『宝塚プレシャス』でその一部を紹介し、全文はアサヒ・コム プレミアム「ベーシックパック」の『宝塚プレシャス』でお読みいただけます。

正塚晴彦作品リスト
はじめに~宝塚の新しい時代に向かって
暁のロンバルディア―愛が蘇るとき―
イブにスローダンスを
アンダーライン
テンダー・グリーン
パペット―午前0時の人形たち―
WHAT'S THE TITLE…!
BLUFF―復讐のシナリオ―
ロマノフの宝石
銀の狼
メラコリック・ジゴロ―危ない相続人―
ブラック・ジャック 危険な賭け―手塚治虫原作より―
二人だけの戦場

投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2007/12/04 11:22:28 男役の行方~正塚晴彦の全作品 | | トラックバック (0)

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