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2008年2月18日 (月)

榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー

水&白羽初日会見「雪組全員で1つになって」―雪組『君を愛してる/ミロワール』

雪組東京公演初日(2月16日)
『君を愛してる-Je t'aime』『ミロワール -鏡のエンドレス・ドリームズ-』

 雪組の東京公演の初日が開いた。
 アートな色使いが新鮮で、優しさと温かさが伝わるラブ・ロマンス『君を愛してる』と、オーソドックスなスタイルにAQUA5の現代性が新鮮にミックスされたショー『ミロワール』の2本立てである。

 『君を愛してる』は、大富豪の長男ジョルジュが「半年以内に結婚することと、結婚相手は上流階級に限る」という遺産相続の条件を突き付けられ、そんななか出会った空中ブランコ乗りの娘に恋をして悩むという物語。作・演出の木村信司が初心に戻って書いたというストレートな“愛”に、雪組全員が熱く取り組み、心に沁みる舞台にしている。

 ショー『ミロワール』は、作・演出が中村暁で、「鏡のエンドレス・ドリームズ」と副題がついているように、鏡やその向こうの世界がモチーフ。金色の光が溢れる幕開きから、一気に華麗で楽しいショーの世界に引き込む。そのなかに昨年から活動している男役5人のユニットAQUA5の曲がうまく取り入れられているのが、いいアクセントだ。

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 初日の午前中に行われた通し舞台稽古のあと、主演コンビの水夏希白羽ゆりの囲み記者会見が劇場ロビーで行われた。

 まずは進行役から2人の紹介がある。
「本公演の主演の2人よりご挨拶をさせていただきます。まずは主演娘役の白羽ゆりです」

白羽 「みなさまどうもありがとうございます。久しぶりにハッピーなミュージカルということでとても楽しく、千秋楽までがんばっていきたいなと思っています。そしてショーのほうも宝塚らしい華やかなショーになっていますので、ぜひ東京のみなさまに、たくさん楽しんでいただきたいなと思います。 よろしくお願いいたします。」

 「本日はお忙しい中ありがとうございました。雪組にとりまして初めてのオリジナルなミュージカルとショーの2本立てでございます。宝塚大劇場の公演でも1人1人が自分と、お客様と向き合いながら、作り上げてきた作品です。東京にきてもう1つ皆さまと新しい空気感で楽しんでいけたらいいなと思っています。千秋楽までどうぞよろしくお願いいたします。 」

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──トップとしての、初めてのオリジナル作品ということで、みどころをぜひ。
 「『エリザベート』とはまったく正反対のハッピーミュージカルということで、やってる私たちにも、初めはとまどいがありましたが、作っていくほどに、皆さまの反応も手に取るようにじかに伝わってきましたし。そして私たちが楽しんでやればやるほど、お客さまにも楽しんでいただけるのではないかなと信じて、やっていきたいと思います。
 みどころはトートと真逆の二枚目半というか2.8枚目ぐらいの(笑)、私の新しい魅力を、皆さんにごらんいただきたいと思っています。 」

──たとえば芝居でのサーカス魂とか、ショーのAQUAの場面とかに、団結心がうかがえますが、雪組の今の状態を話していただきたいのですが。
 「雪組は盛り上がっています。実に盛り上がってます(笑)。東京にきましたところ、楽屋に、星組さんが置いていったんだと思うのですが、『ナンバーワンよりオンリーワン』という掛け軸のようなものが飾ってあって(笑)、あ、星組も盛り上がっていたな、と思って、負けないぞ、と思っていたんですけど(笑)。
 私たちも大劇場で、出ていない場面でも全員が見て、いろいろなところをダメ出しし合って、おのおの一緒に作り上げていくという状態でしたので、これからもそうやって作っていきたいし、もっと全員が1つになって、そしてまたそれがお客さまに伝わって、お客さまも1つになって楽しんでいただけたらと思います。雪組はきっと千秋楽まで、すごい(笑)ものすごいことになると思いますので、乞うご期待という(笑)。」

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──白羽さんと、お互いにこの公演で発見した魅力を。
 そうですね、『エリザベート』のときは、どちらかというと彼女の、自分の性格とちょっと違うところがあったと思いますが、今回のマルキーズの役は、本当にとなみ(白羽)に近いというか、等身大の、がんばっているところとか、みんなを引っ張っているところとかがあるので、やってて楽しそうですね。」

白羽 「私は、毎日、お芝居のラストで『君を愛してる、ジュテーム』とおっしゃっていただいて、毎日そのつど空気感が、少しずつ、お客さまの空気感も違うし、私たち全体の空気感も違うとかもあるんですけど、ジョルジュを演じるさんがそのつど違うのが、本当に新鮮で、毎日そう言ってもらってるのが。」

 「(笑)。」

──音楽を、ジャニーズ系の多い長谷川(雅大)さんが、今回初めて宝塚を担当したんじゃないかと思うんですが、ショーではゴスペラーズとか、外部の才能が入っているんですが、そのへんの刺激は?
 「音楽に関しては、長谷川先生にはものすごく指導されました。テンポですとか。
 なんかノリがよくて『このほうが盛り上がるよね』と自分たちが思っていたところが、意外と『この曲はシャッフルという曲だから、もうちょっとゆっくりのほうが曲の重みが出る』とか言われたり…。なので毎日緊張感をもって歌っています。 」

        ★       ★      ★

 最後に、2人から「よろしくお願いいたします」という挨拶があり、なごやかで笑いの多い会見を終えた2人は、報道陣の拍手で見送られ、初日の楽屋に戻っていった。

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        ★       ★      ★

 ところで前回『エリザベート』に引き続き、主演コンビのツーショット会見となったことについて、雪組プロデューサーの川端保光氏に取材したところ、雪組全体のPR戦略についての答えとなって返ってきた。

 「雪組は公演のCMなどを含めて、独自の方法で積極的にアピールしていくことを考えています。
 まず昨年からユニットを組んでいるAQUA5には、“雪組男役のPR”という意味があります。
 そしてこの会見のように雪組の“公演をPR”する場合は、主演男役の水夏希と主演娘役の白羽ゆりに出演者を代表して出てきてもらう。
 そして雪組の“組全体の代表”としてメディアなどでPRするときは水夏希、という形になります。各組のPR方法はそれぞれ方針がありますし、これからも雪組ならではのオリジナルなアピール方法をいろいろと考えていきたいですね」

 確かに、雪組公演の中心をつとめる水夏希白羽ゆりのコンビは、“宝塚らしさ溢れるゴールデン・コンビ”という感じで、この日のツーショットも絵になる華やかさだった。この雪組の積極的なPR戦略は、これから他の組のPRの方向性にも、なんらかの影響を与えるかもしれない。(文・榊原和子/会見写真・吉原朱美、舞台写真・岩村美佳)

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◆宝塚歌劇雪組公演◆
ラブ・ロマンス
『君を愛してる-Je t'aime』
作・演出/木村信司

ショー・ファンタジー
『ミロワール』-鏡のエンドレス・ドリームズ-
作・演出/中村暁

・東京宝塚劇場公演(⇒宝塚歌劇団公演案内へ
公演期間:2月16日(土)~3月30日(日)

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2008/02/18 8:51:49 榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー | | トラックバック (1)

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