男役の行方~正塚晴彦の全作品
Crossroad―すれ違うばかりじゃやりきれない―
- 宙組公演
1999年5月 シアター・ドラマシティ - 主な配役
- アルフォンソ・ギシャール…和央ようか
デュシャン…樹里咲穂
シモオン…久路あかり
ヘレナ…遠野あすか
ラースロ…真中ひかる
ローナ…城華阿月
ロベール…高翔みず希
優花えり、達つかさ、久遠麻耶、初嶺まよ ほか
- 作曲・編曲:高橋城
- 編曲:今出哲也
- 振付:上島雪夫
- 振付:伊賀裕子
- 装置:大橋泰弘
- 衣装:任田幾英
- 照明:沢田祐二
1999年のシアター・ドラマシティ第2作『Crossroad―すれ違うばかりじゃやりきれない―』は宙組の和央ようかが主演した。
和央は1998年に誕生した宙組の最初からのメンバーで、のちに姿月あさとの跡をついで、この組の2代目トップになる。
主人公アルフォンソ・ギシャールは、少数民族ロマの青年である。時と所は指定されていないが、現代の南ヨーロッパかと思われる。アルフォンソは故郷の村から独りで都会へ働きに出てくる。赤子の時この都会に捨てられていたのを、やはりロマ人である今の養い親に拾われ、田舎で育てられた。
養い親真中ひかるのラースロは、名残を惜しみながらも潔く送り出し、その娘城華阿月のローナは未練をこめて引き止める。彼が養家を出たのは、ひとつには仕送りのためであり、また、若者らしく都会で自分の可能性をためしてみたいと思ったためである。さらにローナの愛に応えることができないせいでもあった。
「ローナ……。お前のことは好きだが、ほれてないのかも知れない」
アルフォンソは削り立てのほおの木のように真っ直ぐな性格を持っている。この男は嘘をつくことができない。相手を黙って見つめてにこりともしない姿が、和央ようかによく似合っていた。『ブエノスアイレスの風』のニコラス・デ・ロサスとは対照的なたたずまいだが、これも正塚晴彦の男役のひとつの典型である。
☆ ☆ (後略) ☆ ☆
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※次回『Love Insurance』は08年4月1日掲載予定です。
■正塚晴彦作品リスト
■はじめに~宝塚の新しい時代に向かって
■暁のロンバルディア―愛が蘇るとき―
■イブにスローダンスを
■アンダーライン
■テンダー・グリーン
■パペット―午前0時の人形たち―
■WHAT'S THE TITLE…!
■BLUFF―復讐のシナリオ―
■ロマノフの宝石
■銀の狼
■メランコリック・ジゴロ―危ない相続人―
■ブラック・ジャック 危険な賭け―手塚治虫原作より―
■二人だけの戦場
■WANTED
■LAST DANCE
■ハードボイルド エッグ
■二人だけが悪(ワル)―男には秘密があった そして女には…―
■バロンの末裔
■FAKE LOVE―愛し過ぎず 与えすぎず
■SAY IT AGAIN―「ヴェローナの2紳士」より―
■デパートメント・ストア
■ブエノスアイレスの風―光と影の狭間を吹き抜けてゆく…―
投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2008/03/11 10:00:00 男役の行方~正塚晴彦の全作品 | Permalink | トラックバック (0)