男役の行方~正塚晴彦の全作品
BOXMAN ― 俺に破れない金庫などない ―
- 宙組公演
2004年3月 シアター・ドラマシティ - 主な配役
- ケビン・ランドル…和央ようか
ドリー・ペイジ…花總まり
リロイ…遼河はるひ
ファーマン社長…美郷真也
ロジャー…未沙のえる
チャンピオン・ディケンズ…寿つかさ
矢代鴻、悠未ひろ ほか
- 作曲・編曲:高橋城
- 編曲:青木朝子
- 振付:伊賀裕子
- 振付:平沢智
- 装置:大橋泰弘
- 衣装:任田幾英
- 照明:沢田祐二
2004年の宙組シアター・ドラマシティ公演『BOXMAN―俺に破れない金庫などない―』は、構成の綿密さ・演技の自在さにおいて、1998年から2001年にかけて同じ劇場で上演された5本の連作と肩を並べ、完成度はひときわ高い。
主演コンビの和央ようか・花總まりはこの作品で第29回菊田一夫演劇賞を受賞した。宝塚の卒業生・現役生徒・スタッフで受賞したのは、それまでに延べ34人を数えるが、現役生徒――すなわち黒の紋付きに緑のはかまで授賞式に臨んだ人――に限れば順みつき、春日野八千代、松本悠里、轟悠の4人しかいない(春日野八千代は授賞式には欠席したので実際は3人である。)
このうち順みつきは、現役生徒とはいえ、外部出演『キャバレー』のサリー・ボウルズで受賞した。また春日野八千代と松本悠里は、特定の作品によってではなく、「永年の宝塚歌劇・日本舞踊への貢献に対して」特別賞を贈られた。
宝塚歌劇の舞台が評価の対象になった人に、杜けあきと一路真輝がいたが、この賞は過去1年間の仕事に対して贈られるので、2人は受賞した時点では既に退団していて、現役ではなかった。
和央・花總は結局、宝塚の特定の舞台によって受賞した現役生徒としては、轟悠につぐケースである。しかしコンビの受賞という点で異例だった。それまでにも、宝塚以外のジャンルで、同じ舞台に立った2人の俳優が、それぞれの演技を認められた例はあったが、和央・花總はコンビとしての仕事が評価されたのである。表彰の理由は2人同文で、こう記されている。「『BOXMAN』におけるケビンとドリーの見事なコンビに対して」
☆ ☆ (後略) ☆ ☆
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■正塚晴彦作品リスト
■はじめに~宝塚の新しい時代に向かって
■暁のロンバルディア―愛が蘇るとき―
■イブにスローダンスを
■アンダーライン
■テンダー・グリーン
■パペット―午前0時の人形たち―
■WHAT'S THE TITLE…!
■BLUFF―復讐のシナリオ―
■ロマノフの宝石
■銀の狼
■メランコリック・ジゴロ―危ない相続人―
■ブラック・ジャック 危険な賭け―手塚治虫原作より―
■二人だけの戦場
■WANTED
■LAST DANCE
■ハードボイルド エッグ
■二人だけが悪(ワル)―男には秘密があった そして女には…―
■バロンの末裔
■FAKE LOVE―愛し過ぎず 与えすぎず
■SAY IT AGAIN―「ヴェローナの2紳士」より―
■デパートメント・ストア
■ブエノスアイレスの風―光と影の狭間を吹き抜けてゆく…―
■Crossroad―すれ違うばかりじゃやりきれない―
■Love Insurance(ラブインシュランス)
■Practical Joke(ワルフザケ)―ってことにしといてくれよ―
■カナリア
■追憶のバルセロナ
■Romance de Paris
投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2008/06/10 10:16:51 男役の行方~正塚晴彦の全作品 | Permalink | トラックバック (0)