現役&OGタカラジェンヌの情報、舞台評、動画つきインタビューなど宝塚歌劇関連の話題をお届け。 ⇒詳しく
オスカルやアンドレが3頭身に!ブログ「ベルばらKidsぷらざ」では、Kids最新情報のほか、読んで楽しい連載が満載です。会員サイトでは「ベルばら」の魅力を宝塚歴代スターに聞く動画つきインタビューも!

« デイジーも可哀想かも…♪おたより | トップページ | アサヒ・コム舞台情報リニューアルに伴う宝塚プレシャス移設のお知らせ »

2008年9月26日 (金)

中本千晶のヅカ★ナビ!

《中級編》学校じゃ教えられない!

レベル:★★☆(中級編)
分野:子育て論
対象:受験勉強だけが勉強じゃない、感受性豊かな子どものうちにいろいろな体験をさせてやりたいと望む親の皆さん。

タカラヅカといえば少女向けの甘いラブストーリーばかりをやっているイメージがある。だが、中にはビミョーに苦いオトナの話が混じっているから困ったものだ。

23日まで日生劇場で上演されていた「グレート・ギャツビー」がまさにそう。
主人公のギャツビー(瀬奈じゅん)が命を賭けて愛するのは、「人妻」のデイジー(城咲あい)。

身分格差ゆえにデイジーとの間を引き裂かれたギャツビーはその後裏社会で一儲け、デイジー一家の住む対岸に豪邸をつくり、毎週盛大なパーティーを開き続けてデイジーとの再会のチャンスを待ち続ける(これ、いってみてば壮大なストーカー行為だ )。

いっぽう傷心のデイジーは、金持ちのお坊ちゃまトム・ブキャナン(青樹泉)に口説き落とされ結婚してしまっていた。だが、トムにはマートル(憧花ゆりの)という愛人ができ、夫婦生活は冷え冷えとしている。

マートルにもジョージ・ウィルソン(磯野千尋)という誠実を絵に描いたような伴侶がいるのだが、派手好きのマートルは地味で真面目なジョージとの夫婦生活が耐え難いのだ。

たまたまギャツビーの隣に引っ越してきたデイジーのまたいとこ、ニック(遼河はるひ)の存在によって、断ち切られていた赤い糸が再び結ばれた。
再燃するふたりの恋の炎。だが、デイジーの夫トム、トムの愛人マートル、マートルの夫ジョージ、それぞれの愛の執着の前に、ギャツビーの想いは……。

とまあ、そんな話。

さて、中学1年生のYちゃんはアサコちゃんこと瀬奈じゅんの大ファン。「グレート・ギャツビー」を心待ちにし、連休を利用して東京までやってきた。
ところが、1幕終了後の彼女の第一声は、

「ちょっとよくわかんない・・・」

そして、いっしょに観劇していた母に鋭く質問。
「トム・ブキャナンはほんとうは誰が好きなの?」
四苦八苦して返答する母でありました。

でも、今はそれでいいんじゃないかと私は思う。

たぶん、今Yちゃんのアタマの中は「?」がいっぱい飛び交っていることだろう。
でも、「?」を含んだままギャツビーはYちゃんの心にずっと残り続けるだろうし、オトナになっていろんな経験をするなかで、「?」に対する自分なりの答えを、一つずつみつけていけるだろうから。

ある教育ジャーナリストが、
「人生においてとても重要な問題なのに、家庭や学校で決して教えないこと。それがお金と恋愛だ」
といっていたけど、考えてみればタカラヅカって恋愛教育の格好の教材といえるのではないだろうか。

教育的見地からしても、子ども騙しの甘いラブストーリーよりも「グレート・ギャツビー」のようなオトナの苦い恋物語を観ることは教育的にも100倍意味があると私は思う。
甘いラブストーリーは解りやすいし無難かもしれないけれど、すぐに通り過ぎてしまって心に残らない。だが、「?」がある作品はずっと心に引っかかり続けるからだ。

何年たっても観劇の思い出を反芻できること、それがいい舞台の条件だ。「グレート・ギャツビー」はYちゃんにとって、そういう存在になることは間違いない。

だから今は、
「よくわからなかったけど、でも白いスーツのギャツビーはカッコ良かったなぁ」
で十分なのだ。
そしていつか、「ME AND MY GIRL」のビルとはまた違う、ギャツビーの本当の魅力がわかる日も来るんだと思う。(中本千晶

☆ステップアップのための宿題☆
次回の月組公演「夢の浮橋」もまたまたオトナの話です。ご存知、源氏物語(宇治十帖)より、浮舟をめぐって争う匂宮(瀬奈じゅん)と薫(霧矢大夢)の物語。Yちゃんに「どっちが勝つの?」と質問されましたが、あなたならどうやって答えますか?

投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2008/09/26 11:00:00 中本千晶のヅカ★ナビ! | | トラックバック (0)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/165303/42587310

この記事へのトラックバック一覧です: 《中級編》学校じゃ教えられない!: