ウィーン版『エリザベート』来日チームのなかでも、繊細な美しさと苦悩する姿で印象深い、ルドルフ役のルカス・ペルマン。その素顔は、まさにナイーブ、そして率直そのものだった。そのルカスにインタビュー。ルドルフ役への意欲と音楽への思いを語ってもらった。
新宿コマ劇場公演(5月7日~20日)
<ウィーン版>ミュージカル「エリザベート」
ウィーン・コンサートバージョン
ウィーン版のフルキャストとオーケストラが、新宿コマ劇場で、また新しい『エリザベート』の世界を繰り広げている。
梅田芸術劇場から東京の新宿コマ劇場に拠を移しての、ウィーン版『エリザベート』。梅田との大きな違いは、あのシュールで華麗な装置が作れないことだが、その欠落を補ってあまりあるどころか、コンサート・バージョンでしか見られない素晴らしい舞台を作り出してくれている。いわば、これもまた1つの『エリザベート』だといっていい別の魅力が、ここにはある。
… (07/05/10)(⇒『エリザベート』評その1.全体編「新しい地平をめざす 雪組『エリザベート』」より続く)
雪組宝塚大劇場公演初日(5月4日)
『エリザベート―愛と死の輪舞(ロンド)―』
さて、個々の出演者にも触れていこう。
水夏希は前述したように、ビジュアルでまず独自のトート像を成立させている。衣装スタッフの有村淳の才能が輝く数え切れないほどの衣装の着こなしもみごと。とくに[運動の間]でドクター・マントをひるがえす際の赤い裏地とシャツ姿は壮絶な美しさだ。
課題だった歌はほぼ合格点、かなりの精進のあとがうかがわれる。これで歌い込んでいけば、もともと歌に感情を乗せることはできる人だから、さらに聞かせる歌へと進歩するだろう。劇中の「最後のダンス」やフィナーレでは、“いかにも男役”というかっこいいダンスを見せてくれるが、白羽ゆりとのタンゴには、もう少し男女としての(トートとシシィとしても)熱さが必要かもしれない。
6度目の再演となる『エリザベート』演出を手がける宝塚歌劇団演出家の小池修一郎さんへのインタビュー後半では、同時期に来日公演中のウィーン・オリジナル版ミュージカル『エリザベート』について思うこと、宝塚版『エリザベート』のよさを、アニメをたとえに解説、また和央ようかさんの退団公演で、06年度のさまざまな賞を受賞した宙組『NEVER SAY GOODBYE』のお話を伺いました。動画メッセージもあわせてご覧いただけます。
⇒小池修一郎さんインタビュー前編はこちら
梅田芸術劇場公演
《ウィーン版》ミュージカル「エリザベート」
ウィーン版『エリザベート』の梅田芸術劇場公演は、日本にいながらにしてオリジナル版を観られる幸せを、改めて感じる公演である。
今回の来日公演の豪華さは、出演者はもちろんオーケストラを含めると100名という大型の引っ越し公演であること。また、本場ウィーンでもなかなか揃わないベストメンバーを揃えての舞台は、まさに、“本物”であることのすごみと迫力をまざまざと見せつけてくれた。
演出家の小池修一郎は、宝塚版の『エリザベート』を成功に導いた人である。1996年の雪組での初演は、ウィーンのオリジナル版のよさを殺さず、日本のそして宝塚のスタイルへと見事に変換させて、世に送りだした。その後、東宝版ではまた新しい『エリザベート』を作りだし、こちらも日本を代表するミュージカルとしてロングランされている。今年は彼の演出家生活30年という節目の年だが、昨年の『NEVER SAY GOODBYE』で読売演劇賞を受賞したり芸術選奨に褒章されるなど、演出家としての業績がさらに高く評価されている。そんな小池氏に『エリザベート』の初演時のこと、今回の上演について語ってもらった。
宝塚プレシャスインタビュー『エリザベートの魅力』。先週に引き続き、姿月あさとさんのインタビューをお届けします。
インタビュー後編では、宝塚時代と退団後に変わったこと、芸能生活20周年となる今年を久しぶりに日本で迎えて感じたこと、そして、サントリーホールでフルオーケストラを従え、歌謡曲&J-POPを歌う「姿月あさとシンフォニックコンサート2007」について、詳しく伺いました。動画メッセージもお楽しみに!(⇒インタビュー前編の紹介はこちら)
宙組の初代トップスターとして人気を誇った姿月あさと。すでに退団して8年が経つが、男役時代も今も、彼女の歌声は聞く人の心をつかんで離さない。
その姿月あさとにとっても代表作の1つが『エリザベート』のトート。去年12月には、ウィーン版『エリザベート』の来日記念コンサートに出演、ウィーン版のキャストと共演し、コンサートの一部とは思えない迫力の場面を見せてくれた。
そしてこの春は、サントリーホールでのビッグなコンサートを予定している。退団して8年目、ますます意欲的に仕事に取り組む彼女に、『エリザベート』の音楽や歌うこと、演じることについて話してもらった。
うめだ阪急(3月14日)
ミュージカル『エリザベート』展テープカット&トークショー 水夏希
うめだ阪急百貨店では、阪急創立100周年を記念して、ミュージカル「エリザベート」展を7階イベントホール「ミューズ」で、3月14日から20日まで開催している。その初日である14日の朝9時半から、宝塚歌劇団雪組の主演男役水夏希を招いて、会場入り口にてテープカットの儀式を行った。
エリザベート展の入り口で、阪急百貨店執行役員の並松誠氏と水夏希
3月末から始まるウィーンオリジナル版、そして5月からの宝塚歌劇版と、2つのミュージカル『エリザベート』の開幕を前に、うめだ阪急で、『エリザベート』展が3月14日から開かれています。
宝塚歌劇団雪組主演男役で、トートを演じる水夏希さん、皇帝フランツ・ヨーゼフを演じる彩吹真央さんによるトークショーや、ウィーン版でトートを演じるマテ・カマラスさん、ルドルフ役のルカス・ペルマンさんのサイン会など、3月20日までさまざまなイベントが予定されています。
ミュージカル『エリザベート』展
期日:3月14日から20日 10時~18時
場所:うめだ阪急7階イベントホール
詳しくは⇒うめだ阪急のホームページへ
ウィーンからの来日版と宝塚版、2つの『エリザベート』公演の開幕が、いよいよ近づいてきた。ウィーン・オリジナルバージョンの『エリザベート』でトート閣下をつとめるのはマテ・カマラス。片や宝塚雪組の『エリザベート~愛と死の輪舞(ロンド)~』で、初めての『エリザベート』トート役に挑むのは水夏希。
ウィーンからの来日版と宝塚版、2つの『エリザベート』公演の開幕が、いよいよ近づいてきた。ウィーン・オリジナルバージョンの『エリザベート』は、3月28日に梅田芸術劇場で初日が開く。こちらでトート閣下をつとめるのはマテ・カマラス。03年からキャストに加わり、力強い歌声と包容力のある演技が評判だ。
5月に幕を開ける宝塚雪組の『エリザベート~愛と死の輪舞(ロンド)~』で、初めての『エリザベート』トート役に挑むのは水夏希。昨年末、雪組主演男役に就任し、プレお披露目の中日公演も好調で、勢いに乗っている。
そんな2人の対談は、マテ出演の『エリザベート来日記念コンサート』が終わり、宝塚版『エリザベート』制作発表のあった日、都内で行われた。
宝塚歌劇雪組『エリザベート』制作発表会、懇親会(1月10日)
雪組 水夏希、白羽ゆり、彩吹真央、音月桂、凰稀かなめ
『エリザベート』制作発表の記者会見が終わると、懇親会。そちらにはフランツ・ヨーゼフの彩吹真央、ルキーニの音月桂、ルドルフの凰稀かなめも顔を揃えている。
… (07/01/11) ミュージカル『エリザベート』が、2年ぶりに宝塚歌劇の舞台に帰ってきます。96年雪組初演以来、星、宙、花、月と全組で上演されている人気作を、6度目の今回は再び雪組が上演します。
黄泉の帝王トート(死)を演じるのは、このたび雪組の主演男役に就任した水夏希。オーストリア皇后エリザベートは、星組から組替えで雪組主演娘役となった白羽ゆりが演じます。水夏希の宝塚大劇場での主演お披露目公演ともなる本作は、5月4日に宝塚大劇場で、7月6日に東京宝塚劇場でそれぞれ幕を開けます。
『エリザベート』制作発表で=1月10日、東京都
(《おことわり》詳細レポートに差し替えました。)
宝塚歌劇雪組『エリザベート』制作発表会(1月10日)
雪組 水夏希、白羽ゆり
オープニング、ライトがあたると、白い豪華なドレスで白羽ゆりのエリザベートが立っている。お馴染みの「エリザベート」、続いて「私だけに」のメロディが流れる。突然稲妻の音にライトが落ちて、暗がりのなか「最後のダンス」イントロが響く。ライトがついて水夏希トートが現れる。ハプスブルク王家の結婚式、エリザベートの前にトートが現れるシーンだ。黒いシルクのフロックに同じ生地のズボン。細かい金刺の縫い取りが肩から袖口に、ズボンのラインにも入っている。怯えるエリザベートに迫るように歌うトート。迫力満点の踊りもあり、影コーラスが加わる。「最後に勝つのは俺ーさー」と決めて、短い時間だが『エリザベート』の世界を、水トートと白羽エリザベートで描き出してみせた。
今春来日する《ウィーン版》ミュージカル『エリザベート』の予告編ともいうべき来日記念コンサートが、昨年12月に大阪・梅田芸術劇場、そして1月4日から8日まで東京・新宿コマ劇場で開かれました。東京公演を観てきましたので、その模様をレポートします。(写真は大阪公演のものです。梅田芸術劇場提供)
日本での初演から11年。とうとうウィーンからオリジナル版が07年春、来日、大阪と新宿で上演されます。
… (06/12/29)